おもしろいね、けどおいしいね

Actually, it’s funny but delicious

菓子を楽しむこと

「おもしろいね、けどおいしいね」

お客様に言われて一番嬉しい言葉です。

長い和菓子の歴史の中で、定番のお菓子を作り続けることは意外と大変です。

しかし、新しいお菓子を作り出すこと、これはもっと大変です。

菓楽に歴史はなく、守らなければならない味もない。

“これを使ってはいけない”や、“こうでなければならない”という形も無く、そんな常識も必要ない。

私がその時々に表現したいお菓子たちを、お客様と楽しみながら共用する場が『菓楽』だと思っています。

そしてその先に先人たちが紡いできた歴史の縦軸に、新しい横軸をアウトプットし、和菓子のスタンダートを作り出すことが和菓子職人の私の使命だと思います。

過去と未来がぶつかるところが『いま、ここ』

古代から種というもので受け継がれている作物。それを育ててくれる沢山の人たち。加工してくださる人たち。運んでくれる人たちなどなど。『いま、ここ』にある素材の過去の時間に想いを馳せれば関わってくださった無数の方々のエネルギーの濃縮(しづく)でもあり感謝の濃縮でもあります。そんなエネルギーをより増幅させるのが私たちのお役目だと考えております。